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▼コメント[必須]>>3 > 白髪の男が喋り終わると同時に、群衆らの中から凄まじいスピードで駆け出した青年がいた。 「中々ふざけたことを抜かすじゃァないかッ! ンン〜? よかろうッ八つ裂きにしてくれるわ!」 紫色の長髪を靡かせ叫ぶその青年は、人間ではない。 かつて古代、人間とは異なる進化を遂げ生きて来た『闇の一族』の天才。名はカーズ。 カーズは人間とは比べ物にならぬ筋力と知性を兼ね備え、更に人類を捕食する存在である彼にとって老いた人間を殺戮する程度は呼吸の如く済ませられる。 正にこの瞬間も、彼にとってすれば一人の男を始末するだけのことだった。 「喰らえィ! 我が『光』の流法(モード)! 『輝彩滑刀(きさいかっとう)』の流法ッッッ!」 床を踏み砕きながら蹴り、その勢いで飛び上がったと同時に、カーズの腕から煌めく刃が生えた。 彼の流法、輝彩滑刀は身体から刃を出す力である。この刃の表面には極小のトゲが生えており、そのトゲが高速で動き回ることで眩い光を作り出す。チェーンソーのようなその刃の切れ味は凄まじく、弾丸や鉄塊を容易く切り裂くことができる程だ。 閃光の如く煌めいて翔るカーズの動きは群衆らの一部にしか捉えることはできなかった物の、叫び声を聞き凡人でもカーズの行動は大まかに把握できた。 彼は、壇上の白髪の男を殺す、と。 そして文字通り一瞬の内に、白髪の男の目の前へと移動したカーズは首元へ向け、また一瞬の速さで刃を降り下ろした。 ただの人間の首を切り落とすくらい、彼に取って造作もない。
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